防災・減災豆知識~内陸直下型地震における木造住宅の倒壊の原因

阪神淡路大震災から学ぶ
内陸直下型地震における木造住宅の倒壊の原因と建築基準法の改正

1995年1月17日午前5時46分に阪神淡路大震災は発生しました。
6434名の尊い命が奪われ、その8割に当たる約5000名は、建物の倒壊によって命を奪われています。
震災で揺れていた時間はわずか22秒間。その短い間にいったい何が起きたのでしょうか?
被害の特徴は大きく2つが挙げられます。

① 比較的古い家は、1階2階ともに崩れ落ち倒壊していた。
② 比較的新しい家は、1階だけが倒壊し2階部分が下に落ちてくる倒れ方が多かった。

阪神淡路大震災でどんな家が倒壊したのでしょうか?
倒壊の主な原因は4つあったといわれています。

1,壁量が少なかった
一般的に昭和56年以前の建物を旧耐震、56年以降の建物を新耐震としていますが
昭和56年以前の建物では、床面積1㎡当たりに求められる必要壁量が少なかった事です。


2,壁の配置バランス
平成12年(2000年)以前の建物は、建築基準法で「釣り合いよく配置する事」とだけ明記されており、
具体的な壁の配置規定については示されていませんでした。
木造軸組みの設置基準(2000年:建設省告示1352号)で壁の配置バランスが具体的に定められました。

●偏心率30%以内である事
偏心率とは、建物の強さの中心を剛心、建物の重さの中心を重心としたときにバランスが良い建物は剛心と重心の位置が同じになります。
逆に剛心と重心の位置が離れれば離れるほど建物のバランスは悪くなります。


●桁行及び梁間方向別で、それぞれ両端から1/4 存在壁量が2倍以内であること

各々、Aの存在壁量が多くBが少ない場合、B÷Aが0.5以上であればOK


3,接合部の規定が無く、そのため柱のホゾ抜けが発生し倒壊した家が多かった
建築基準法には「釘その他の金物を使用」とだけ明記されており、具体的な接合方法については示されていなかった。
地震などの揺れにより筋違いなどで壁を補強していても柱に対して上向き力等が発生し倒壊の原因となった。
平成12年(2000年建設省告示1460号)木造の継手及び仕口の構造方法が具体的に定められました。
・筋交いのサイズによって、筋交いを止める金物が指定された。
・柱の位置、耐力壁の強さで柱を止める接合金物が指定された。強い壁には強い金物を使用する事が規定。
(ホールダウン金物が使用されるようになった)
~特にこの、ホールダウン金物は非常に重要なものだと私は思います。(バスター矢野談)
東日本大震災においても津波に耐え流されなかった家が実は存在したのです。
その残った家の調査を行ったところその家にはホールダウン金物がついていました。
当然流された家にはホールダウン金物はついていませんでした。
内陸型の地震でも海溝型の地震でも威力を発揮してくるホールダウン金物は後付でも取り付け可能です。
(下写真:後付ホールダウン金物)


4,木造住宅の劣化によるもの
雨水の侵入により、木造住宅の主要構造体の腐朽、白蟻被害等によるものです。